静岡鉄道、初の移住事業 シェアオフィスや相談窓口

静岡鉄道は移住者を呼び込む事業に乗り出す。新型コロナウイルスの感染拡大を機に、首都圏など都市部との2地域居住や遠隔勤務の需要の高まりに対応するシェアオフィスを9月に開業する。東京都などで移住相談の業務も始めた。沿線の静岡市内で今後急速に進む少子高齢化に備える。

シェアオフィスの1階はキッチンを中心に企業の交流を図る(イメージ写真)

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シェアオフィスの1階はキッチンを中心に企業の交流を図る(イメージ写真)

シェアオフィス「=ODEN(イコールおでん)」は新静岡駅に近い静鉄不動産のビルを改装し9月下旬にもオープンする。改修費は約5000万円。名称には「県内や首都圏などから個性あふれる人材や企業が集まり、地域と多様に関わる関係人口を増やす」(担当者)狙いを込めた。

ワンフロアあたりの延べ床面積は約200平方メートルで、14社が入るブースを建物の2階に設ける。インターネット環境を整え、会議室などでテレビ会議を開けるようにする。1階はキッチンを中心とした共用スペースを設け企業間の交流を促す。

静岡鉄道が9月に開業予定のシェアオフィス「=ODEN」(イメージ写真)

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静岡鉄道が9月に開業予定のシェアオフィス「=ODEN」(イメージ写真)

施設内には入居企業が必要としている技術や人材などを掲示する「マッチングボード」を設けるのも特徴だ。ICT(情報通信技術)を活用した空き家の再生といった、様々なビジネスの創出につなげる。

利用料は2階で1カ月4万8000円(税抜)から。1階のみの利用は1万5000円(同)で受け付ける。

シェアオフィスの開設により、新型コロナの感染拡大で変化する働き方改革のニーズをくみ取る狙いだ。担当者は「県内だけでなく東京などから企業や職員を呼び込み、静岡に魅力を感じ定住につながる環境をつくりたい」と話す。企業の利用状況をにらみながら拠点の増設も検討する。

静岡市と連携し7月にはオンラインの移住セミナーも開いた

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静岡市と連携し7月にはオンラインの移住セミナーも開いた

移住相談サービス「静岡移住計画」も東京・有楽町にある静岡市の相談窓口と連携して始めた。地方の鉄道会社が民設民営でワンストップの移住相談業務を展開するのは珍しいという。相談の予約はインターネットでも受け付け、約30社のグループ企業の強みを生かし仕事や物件を提案する。

同社によると、移住を促進する本格事業は初めてになる。背景には今後急速に進む人口減少への危機感がある。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、静岡市の人口は2015年の70万4989人から30年には8.4%減り64万6098人になる。40年には15.7%減の59万4305人となる見通しだ。

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一方、鉄道の乗降人員は18年度が約2463万人と、5年前にあたる13年度の約2193万人から1割近く増えた。足元の利用者は増加基調だが、沿線の静岡市で今後急速に進む人口減少に向けて布石を打つ狙いだ。

沿線11キロメートルを活性化させる長期構想も検討する。「プロジェクト11」と銘打ち、関係人口を増やし将来の定住につなげる取り組みを進める。

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