地方学生が首都圏で就職活動した場合、お金も時間もかかる。
そこで登場した「就活シェアハウス」が注目されている。
東京都中野区住宅街の一角に「就活シェアハウス新中野」
運営するのは地方学生向け就活支援を展開するスタートアップ企業、
地方のミカタ(東京・新宿)
代表は岩本洋樹氏。自身が都内での就活で困った体験をもとに立ち上げた。
就活シェアハウス事業は学生団体だった12年から手掛けており、業界最大手。
このシェアハウスを利用する島根の女性は面接のたびに東京往復の飛行機で6万円、金額が高いからと言って安い夜行バスに乗ると往復1万円だが片道12時間の移動を強いられるという。
それがシェアハウスなら1カ月滞在で4.1万円から4.8万円、しかもシェアハウス滞在の就活組で情報交換や互いの苦労話をしたり、何より面接時に落ち着いた精神状態で挑むこともできるはずだ。
定員は14人だが、地方のミカタのスタッフでもあるインターンシップの子が無料で寝泊まりする代わりに管理人替わりをするというシステムがあり、当事者たちの負担が軽減される。
実はこのスタッフが大事な役割を担っている。地方からでてきて同じ屋根の下で寝泊まりする当事者たちの間を円滑に人間関係を保ったり、ルールでは禁酒・禁煙なので、時間があるときは外飲みも・・・。誕生日の者や内定者が出ればパーティーを開いたり、孤立しないように気を遣うのは大変だ、という。しかし同時に得るものも多く、この首都圏で生き残っていく覚悟みたいなものができてくる筈だ。
勿論、面接の度に地方から出てくる就活生も、その苦労からくる強みもあるに違いないが、人材不足とはいえ、企業は益々高レベルの人材を探している。何度も首都圏に足を運ぶこともあるだろう。
実際、世界レベルで日本の大学は決して高いレベルにあるとはいえず、だからといって日本から海外へ行きたいという就活生も多いわけではない。狭い中で競争しているのは現実かもしれない。
あとはやはり企業が良い人材を待つのではなく、強い人材作りと有能な人材作りのシステムを一過性のものではなく、常に人間として尊重し逞しい後姿を見せれるかにかかっていると思う。